オンライン小説なオリジナル小説サイト うにたなで“ふりがな”タグの付いているブログ記事

 ふりがなに使う括弧記号については、今回が最後である。これっきり。もう書かない――はずである。

 ふりがなに使う括弧記号について(完結編)では、過去に書いた小説は{ }のまま残しておくと書いたが、やんごとない事情で( )に変更したくなるかもしれない。自作の小説は100以上ある。小説のファイルをひとつひとつ開いて{ }を( )に置換するのは手間がかかる。

 そこで、秀丸で動作するマクロを作成した。「ふりがな括弧記号変換マクロ」だ。「ふりがな括弧記号変換マクロ」を実行すれば、同一フォルダにあるすべての小説で括弧記号が置換される。秀丸エディタを使用しており、ふりがなをあらわす括弧記号をかえたいかたにはオススメのマクロとなろう(わたし以外にいれば、だが)。

 以下、そのマクロである。コピペして適当なファイル名で保存していただきたい。

// ■ふりがな括弧記号変換マクロ // ふりがなをあらわす記号として使用している括弧記号をかえる。カレントフォルダにあるすべてのテキストファイル(拡張子がtxt)が対象となる。

// 括弧記号の設定
$kkmae1 = "{"; //置換したい括弧記号の始(使用している括弧に適宜変更のこと)
$kktoji1 = "}"; //置換したい括弧記号の終(同上)
$kkmae2 = "("; //置換したあとの括弧記号のはじまり(適宜変更のこと)
$kktoji2 = ")"; //置換したあとの括弧記号のおわり(同上)

// ふりがなとしてあつかわれているだろう箇所の条件設定
// 1・ふりがななのだから括弧記号の直前は漢字であるはず
// 2・ふりがななのだから括弧記号内はひらがなのみであるはず
$furigana1 = "[亜-黑]\\f" + $kkmae1 + "\\f[ぁ-ん]+\\f" + $kktoji1;
$furigana2 = "\\0" + $kkmae2 + "\\2" + $kktoji2;

// 括弧記号の置換
closenew;
grepreplace $furigana1,$furigana2,"*.txt",".",regular,backup;

endmacro;

 以上、「ふりがな括弧記号変換マクロ」であった。こうしたほうがもっとよくなるぞ、というあたたかいアドバイスは常に募集中。

 何度もテストを重ねて問題はなかった。ただ、なにぶん素人がつくったものなので思わぬ動作をするかもしれない。マクロ実行前にバックアップをとることをおすすめする。

 ふりがなに使う括弧記号について(後編)の続きである。
 またその話か!
 といわれちゃいそうだが、ごめんなさいと頭をさげるしかない。今回と次回の記事で(とりあえず)最後だからつきあってちょうだい。

 ふりがなをあらわす括弧記号は( )を使うことにした。何回も記事をわけて書いたくせに、たどりついたのはもっとも無難な記号であった。くりかえす。ふりがなをあらわす括弧記号は( )を使う。

 根拠はある。ふりがなをあらわす記号として( )を使用している書籍が多かったからだ。

 市販されている小説でルビを使用せず括弧を使っているものは、わたしが探した範囲ではなかった(見つけられなかっただけかもしれない。情報求む)。

 小説ではなく実用書のたぐいのなかには括弧記号を使用しているものがあった。括弧記号は( )だった。

 手元の国語辞典も見てみた。巻末のアルファベット略語集で、ふりがなをあらわす括弧記号として( )が使われていた。漢字のふりがなではないが参考にはなる。また、雑誌などでも「Penryn(ペンリン)」のようにアルファベットに対しては括弧記号を使っている。

 同じ国語辞典に干支表が載っていた。甲戌とか庚申というやつだ。これらもルビではなく( )でふりがながふられている。

 ふりがなをあらわす記号として( )が圧倒的多数である。圧倒的多数ということは読者が慣れ親しんでいるということであり、読みやすいってことになる。逆に{ }なんて括弧は見慣れないので違和感を覚えるだろう。

 これから書く小説では、ふりがなをあらわす記号として( )を使う。過去に書いた小説に関しては思い出としてそのままにしておく。けして面倒だからじゃないぞ! 思い出は大切なのだ。

 ふりがなに使う括弧記号について(前編)の続き。

 ふりがなをあらわす括弧記号として{ }を使用しつづけていた。ふりがなを使用するのは主に登場人物の名前にだ。

 勅使河原豚太郎{てしがわらとんたろう}はかたわらの美女へ視線をとばした。

 と、こんな感じで{ }を使っていた。

 でもね。{ }をふりがなをあらわす括弧記号として使いはじめた理由は――ないんですよ。{ }を使わなければならないこだわりのようなものは特にない。

 パソコンで小説を書きはじめたころ、某所でアップされていた小説のほとんどがふりがなをあらわす括弧記号として{ }を使っていたからまねしただけ。とくに疑問にも思わず今日までそのまま。ふりがなに使う括弧記号について(前編)でも書いたけど再考したほうがよさそうだ。

 ふりがなをあらわす括弧記号はいままでどおり{ }を使うか、あるいは別の括弧記号を使う。代替の候補としては( )か[ ]といったところか。

 あるいはほかにも使える括弧記号があるかもしれない。件の『句読点、記号・符号活用辞典。』を買ったほうがよさそうだ。ほかにもほしい本があるのでまとめて注文しよう。

 勅使河原豚太郎
 人名だ。さて、あなたはなんとお読みになられただろうか?

 勅使河原は読めるかもしれない。てしがわら、だ。勅使河原の苗字をもつ有名人は意外にも多いので、どこかで見聞きしていることだろう。

 では、豚太郎はどうか?
 ぶたたろう、じゃないよ。とんたろう、だよ。

 勅使河原豚太郎は「てしがわらとんたろう」と読むのである。もし、勅使河原豚太郎を小説に登場させる場合、ふりがなをふっておくのが親切だろう。

 でも、ちょっと待った。オンライン小説だとふりがなをどうやってふる?

 手書きの小説なら、勅使河原豚太郎の横に小さく「てしがわらとんたろう」と書けばいい。印刷物ならルビをつける。

 オンライン小説だとそういった正攻法はできない。いちおうrubyタグがあるにはあるが、IEの独自採用なので使うのはためらわれる。

 では、どうするか。
 ふりがなをカッコで囲むのである。

 勅使河原豚太郎{てしがわらとんたろう}は身をこわばらせた。

 こんなふうに{ }で囲った部分をふりがなとする。
 ――いままでずっとそうしてきた。
 ところが、である。

『句読点、記号・符号活用辞典。』を衝動買いしてみたらば の記事を読んで考えさせられたのである。記事の一部を引用しよう。

 今までは「{ }」と言う括弧記号を使っていました。「ブレース」と言う名称だそうです。基本的には、数式で使用する。意味としては「まとめ上げる」役割を持っています。

 いわれてみれば数学の授業で使用した記憶がある(使い方はすっかり忘れてしまったが……)。記号本来の意味からすれば{てしがわらとんたろう}という使い方は正しいとはいえないわけだ。

 前述の記事ではさらにこう続く。

 しかし今度、この辞書でボクは「[ ]」と言う括弧記号の存在を知りました。「ブラケット」と言う名称だそうです。基本的には他の括弧記号と似たような役割を持ちますが。特に、欧文における戯曲や台本でのト書き。そして、言語学や音声学で、音声記号を囲んで音声を表記するために使います。例えば、

break [ breik ]

とこのように。辞書で音声を表記するために使う記号ならば、読み仮名に使っても意味が合っています。
 国語辞典ならば、「墨付き括弧」と言う、このような「【 】」記号を使うのでしょうが。これは読み仮名に使うには、ちょっと派手すぎますし。
 ブラケット記号あたりが、目立ちすぎもせず、普段から多用することもなく、適任かと思うのです。

読み仮名[よみがな]

 うん、なかなかに読み仮名として似合っているじゃないか。

 この辞書とは『句読点、記号・符号活用辞典。』のこと。

 多くのかたにとってはどうでもいいことだろう。
「どっちでもいいじゃん」
 と思われているだろう。

 でもね。気になるんだよなあ。なっちゃうんだよなあ。知らなければずっと{ }を使い続けていたんだけど、知っちゃったからなあ。この問題について、しばらく思案することになりそうだ。