短編小説「怖くてふりむけない」

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 わたしとさゆりが腕を組んで笑っていた。
 テーブルに置かれたフォトフレームからは、幸せオーラがでているようだった。
「おかえり。その写真きれいでしょ」
 声にふりむくと、さゆりがパソコンラックを指さしていた。見なれないプリンタが目にとまる。たしか、写真画質の最新型だ。
「このプリンタで印刷したのよ」
 さゆりがにんまりと笑った。にこり、じゃないところが彼女らしい。
「お誕生日おめでとう」
 プレゼントしてくれるというのか!?
 わたしは感激のあまり、さゆりに抱きつこうと一歩ふみだした。しかし、急な動作だったため、右足が明後日の方向に! まるで計ったかのように、右足がティッシュの箱にはまってしまった。わたしはよろけて、ラックに手をついた。肘がプリンタにあたる。落下は、やけにゆっくりとして見えた。
 バキ! とすごい音がした。

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このページは、浅川こうすけが2007年5月 7日 23:39に書いたブログ記事です。

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