オンライン小説の書き方、お手軽な小説作成法1

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 お手軽な小説作成法として、登場人物の名前だけを変えるという手法がある。名前だけ決めて、登場人物の名前にあてはめていけば、いっちょう完成である。もちろん独自性などない。オリジナル小説ともいえないだろう。

 でも、もっともカンタンにできる小説作成法にちがいない。

 もちろん「名前を変えてもいいですよ」と著者が許している小説に限られる。アドレスは忘れてしまったが、そういった小説群を置いているサイトはある。

 さて、見本となる物語の冒頭部分を書いてみた。朝起きて学校へ行くシーンだ。とりたててなにもおこらない。退屈なシーンだ。でも、オンライン小説でよく見かけるシーンなので例としてみた。

 名前のある登場人物は主人公のみ。主人公の名前だけ決めていただきたい。以下の文章は[主人公]という部分を主人公の名前に置換すれば、ストーリーの冒頭部分が労せずできあがる。

 [主人公]は喉の渇きで目を覚ました。
 天井が白く光っているのは窓から差しこむ朝日のせいだ。真夏をもっとも謳歌しているのは、ほかならぬ太陽かもしれない。
 [主人公]は枕元にある時計を手探りで叩いた。振動を感知した時計が、
「ゴゼン、ハチジ、デス」
 と、抑揚なく時刻を教えてくれる。
「完全に遅刻だな」
 ひとりごちるも慌てるそぶりはない。慌てたところで時間が戻るわけではない。八年前の事故で知った教訓のひとつだった。
 手早く学生服に着替える。食パンを一枚、牛乳で流しこみ朝食とした。
 習慣になっているアレをやってから、身だしなみを整えて玄関をでる。携帯電話で時間を確認すると八時三〇分になっていた。すでに一時限目の授業ははじまっている。高校二年生になってはじめての遅刻だった。
 [主人公]は大通りにでた。片手をあげる。タクシーが停まった。赤い。赤いタクシーだ。
「どちらまで?」
 乗りこむと運転手がたずねてきた。行き先を聞くのはあたり前だ。だが――
「訊くなよ、そんなこと」
 [主人公]は不機嫌を隠さず運転手を睨んだ。
「すいません、いちおう聞くのが規則なもので」
 運転手が苦笑を浮かべた。赤いタクシーはスムーズに走りだした。

 以上。

 ……。

 ほんとなら小説の冒頭じゃなくて、ショートショートが適してるんだろうなあ。だけど、こんなことに使うのはもったいないので小説の冒頭をでっちあげました^_^;

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このページは、浅川こうすけが2007年8月29日 20:07に書いたブログ記事です。

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