小説「星人募集中5」(推敲前)

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 森からあらわれた男は、岡島と名乗った。
「わたしも山田も、ノルベール号のクルーだったんですよ」
 ギャレット号の墜落からさかのぼること三年。べつの宇宙船が、この惑星に不時着していたのだった。
「そんな偶然があるんだな」
 折原はおどろきを素直に声にだした。同時に失望もしていた。ノルベール号のクルーたちは三年もこの惑星で生活しているのだ。いいかえれば救助がきていないということ。地球圏への生還は絶望的だった。
「わたしたちは──もうあきらめているんですよ」
 岡島が自嘲気味の笑みを浮かべた。前を歩く山田の背中を目で追い、
「山田くんはね。墜落時に頭を打って、ちょっと、ね」
 と小声で教えてくれる。
 森のなかにある獣道を山田の先導で歩いていた。彼らの住まいであるノルベール号を目指している。ずっと野宿だったので、三日ぶりの屋根つきだ。
「何人いるんだ?」
「わたしと山田くんをふくめて七人です。あなたをいれれば八人になりますね」
「喜んでいいのかどうか」
「わたしたちは歓迎しますよ。ひとが増えるのはいいことです。あ、ほら、もう見えてきますよ」
 森を抜けるとまた草原がひろがっている。ただ、ひとつ違っていた。旧型の宇宙船が鎮座ましているのであった。

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このページは、浅川こうすけが2007年8月19日 02:29に書いたブログ記事です。

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