2007年6月アーカイブ

 よけられない。
 瞬間的に確信した。
 巨大斧の一閃は脳天に深く食い込み、赤い飛沫をはじき飛ばすだろう。夜の世界を睥睨する三日月さえ、その未来を疑いはすまい。
「あっ」
 斧少女が驚愕に口をひらいた。
 酒井の左肩からのびた死神の手が、斧の腹を叩いたのだ。軌道のそれた刃が地面に深々と刺さった。
「半分にちょん切られていても、これくらいには使える」
 そして、斧が腕を切れるということは、死神の腕も斧にふれられるという理屈だった。
「おしかったです」
 少女が斧を手にしたまま軽々と跳び、また距離がひらいた。斧は地面に刺さっていたはずだが、まるで苦にせず抜いていた。重さも気にならないようである。
「おいおい。さっきまで斧にふりまわされてたっていうのに、急に軽々と持ち出したな」
 火事場のくそ力、というわけでもなさそうだった。
「油断させるつもりでしたのに、思うようにはいきませんね」
 少女の声は涼しげではあったが、強くひきむすんだ唇からはくやしさがにじんでいた。
 つまりは、重い斧を扱いきれていないように見せて油断させ、ここぞというときに本来の力をだす作戦だったということだろう。
「まさか戦いの最中に胸にさわられそうになるとは思いませんでしたので、とっさに体が反応してしまいました」
「おい、オレは」
 酒井は慌てて弁解しようとした。
 癇癪玉のはじける音に続く言葉を飲み込んだ。
 いや、癇癪玉ではない。拳銃の発砲音であった。一発ではなく連続で鳴った。
「お嬢様!」
 低音だがよく通る男の声が高架下からした。
「こちらにも敵です!」
 斧少女が高架下へ顔をむけるのを確認するまでもなく、お嬢様とは彼女をさした言葉だろう。

 斧をよけながら酒井は首をひねった。今夜この場所に生ける死人があらわれるというのは、未来予知によってわかっていた。予知から十五分遅れたが、それくらいのずれはいつものこと。珍しくはない。だが、死神の使いになってから今日まで、勤務中に邪魔されたのははじめてだった。
 未来予知では、死神の使いが生ける死人と遭遇する時間と場所がわかるのである。逆にいえば、時間と場所しかわからない。遭遇のシチュエーションや、ターゲットの人数などはまったくわからないときている。生ける死人たちは単独で行動するので問題にならなかったし、酒井も同僚も気にしていなかった。
 生ける死人同士で助け合ったりするとは考えづらかったが、いま相対している斧少女もターゲットかもしれなかった。たしかめる方法はひとつだけ。死神の手で核を探すのだ。
 酒井は振り下ろされる斧をかいくぐり、右肩から死神の手を出現させた。実物の手と同じで二本あるのだった。
 斧少女の胸へむけまっすぐにのばす。
 彼女は斧を振り下ろした反動で動けない──はずだった。
 死神の手が空をつかんだ。
 視界の外で空気がうなった。少女が斧を振り上げたのだと直感で理解する。
 酒井が少女のほうをむいたのと、巨大な斧が振り下ろされたのは同時だった。
 速い! と電気信号的な思考が舌を巻いた。死神の手をよけられたときもそうだが、斧を振り下ろす速さもいままでのおっとりスピードとはくらべるべくもなかった。
 よけられない。
 瞬間的に確信した。

 体格と比例するように顔も小さく、陶器を思わせるような滑らかな肌だった。涼やかな目元には力がこもり意思の強さを伝えている。スカートと同じで動きやすさに重きを置いているのか、髪型はショートカットであった。脱色したり染めたりせず黒髪のままなのは、夜闇にまぎれやすくするため──と、これはさすがにうがちすぎか。
 彼女や斧について訊きたいことは山ほどあったが少女は戦う気満々だ。問いかけてもすべてには答えてくれまい。まずはもっとも重要な疑問を確かめるべきだった。
「貴様、その男の──」
 仲間か? と問おうとしたが、
「問答無用です!」
 斧の一振りにさえぎられた。
 跳び退ってかわす。
 不意を突かれさえしなければ、少女の振る斧など脅威でもなんでもない。
 おそらくは、自身の小さな体をカバーするために重い斧を武器として使用しているのだろう。だが、小さな体で巨大な斧を振ろうとしているので、どうしたって予備動作がおおきくなる。スピードがのるのにも時間がかかる。あきらかに武器のチョイスミスだ。
 斧をよけながら酒井は首をひねった。今夜この場所に生ける死人があらわれるというのは、未来予知によってわかっていた。予知から十五分遅れたが、それくらいのずれはいつものこと。珍しくはない。だが、死神の使いになってから今日まで、勤務中に邪魔されたのははじめてだった。

 乱入してきた人影は斧を地面から抜いていた。
「切られたのか。その斧で……」
 絶句するしかなかった。死神の手はこの世の物体に接触されないはずではなかったか。
 では、あの斧はこの世のものではないということになる。
「貴様なにものだ!?」
 酒井の誰何に緊張感が込められているのもむべなるかな。
「それを訊くのはわたしのほうです。いえ、訊く必要はありませんね」
 乱入者が斧を肩口で構えた。
 三日月のはかない光が銀色の斧に反射し、乱入者──彼女の体を照らしていた。巨大な斧には似合わない小柄な体型で、学校の制服だろうセーラー服を着ていた。動きやすさを考慮してかスカートは短く、白いふとももが半分くらいのぞいている。
「奇妙な特技をお持ちのようですが、わたしにも通用しますかどうか」
 彼女が間合いをはかるように、じりじりとすり足で近づいてくる。斧の角度がかわったためか跳ね返る光が頭部にあたった。
 体格と比例するように顔も小さく、陶器を思わせるような滑らかな肌だった。涼やかな目元には力がこもり意思の強さを伝えている。スカートと同じで動きやすさに重きを置いているのか、髪型はショートカットであった。脱色したり染めたりせず黒髪のままなのは、夜闇にまぎれやすくするため──と、これはさすがにうがちすぎか。

 酒井は首をひねった。考え事をするときの悪癖で、敵からも考え中だと看破されてしまうため、上司や同僚からは治せといわれ続けていた。たぶん、これからもいわれ続けるだろう。
「じゃあしょうがない。取り引きはな──」
「たああああああ!」
 裂ぱくの気合が夜空に響き渡った。月光を背中に受けて黒影の人物が舞い下りてくる。
 その人物は、銀色に輝く巨大な斧を頭上にかかげていた。
「はあ!」
 酒井と男の中間点に着地すると同時に斧が振り下ろされる。月光を跳ね返す銀色が弧を描き、死神の手をないだあと地面に深く食い込んだ。
「いでええええ!」
 悲鳴を迸らせたのは酒井であった。なにがおこったのかわからなかった。突然、体の中心で激痛が爆発したのだ。
 だが、痛みはすぐにひいていった。まるでなにごともなかったかのようだった。酒井は激痛に閉じていた目をうすくあけ、直後おおきく見開いた。
 死神の手がなくなっていたのだ。正確にいえば、とちゅうから千切れてしまってそこから先はどこにも見えなかった。消滅してしまったようだ。
 乱入してきた人影は斧を地面から抜いていた。
「切られたのか。その斧で……」
 絶句するしかなかった。死神の手はこの世の物体に接触されないはずではなかったか。

 たしかに、死神の手には酒井自身ですらさわれない。だが、いや、だからこそ、死神の手はこの世にある物体にはふれられないのだ。4mくらいまではのびるが冷蔵庫を物色することすらできない。DVDプレイヤーのディスクを入れ替えるためには、プレイヤーまで歩いていかなければならない。死神の手は、たったひとつの目的以外には、まったく使い道がないのだった。
 死神の手が接触したりされたりできるのは、この世にない物体だけだった。そのひとつが死人の核である。死人の核を破壊することが、死神の手のたったひとつの使い道であった。
「オレたち死神の使いや死神の手を知ってるってことは、埋め込まれた死人の核についても知ってるって考えていいな」
「お、教えて、も、もらった。いろ、いろ」
「そいつのことが知りたい。どんな奴だ。男か女か? いや、第三の性別って可能性もあるな。どうなんだ?」
「し、死人の核をもらうとき、口止めされた」
「義理立てすることもないだろ。いっちゃえよ」
「俺、やばい金、持ち出して、こ、殺されかけ、いや、殺された。それを、助けてくれた。ぎ、義理はある」
「──いっておくが、貴様は死んでるままだぞ。死人の核が体を動かしてるだけだ」
「し、知ってる。それでも、俺……」
 酒井は首をひねった。考え事をするときの悪癖で、敵からも考え中だと看破されてしまうため、上司や同僚からは治せといわれ続けていた。たぶん、これからもいわれ続けるだろう。

「とにかくオレは貴様に同情しない。同僚のなかには情けをかけてできるだけ早く死人の核をつぶすやつもいるが、オレはそういうのは嫌いだ。だから、これからいうことは取り引きと思ってくれ」
 死神の手をゆるめる。ただし、ほんの少しだけ。
「貴様に死人の核を埋め込んだやつのことを吐け。そうすれば、苦しまないようひとおもいにとどめをさしてやる。吐かなければ──じわじわ苦しめながら破壊するぞ」
 酒井はせいぜい意地悪く見えるように唇をゆがめた。
「な、るほど。お前、死神の使い、か」
 男がとぎれがちに言葉をついだ。
「なら、こ、これは、死神の手、か。む、むかつく」
 男が死神の手をつかもうとするが、筋肉質の手はすり抜けるばかりだった。
「ほい残念。死神の手はさわれません」
 酒井はおどけていいながら内心では苦笑をもらした。さわれないってことは役立たずって意味でもあるけどな、と日ごろの考えが頭をもたげたのだ。
 たしかに、死神の手には酒井自身ですらさわれない。だが、いや、だからこそ、死神の手はこの世にある物体にはふれられないのだ。4mくらいまではのびるが冷蔵庫を物色することすらできない。DVDプレイヤーのディスクを入れ替えるためには、プレイヤーまで歩いていかなければならない。死神の手は、たったひとつの目的以外には、まったく使い道がないのだった。

「やはりあったな死人の核」
 改心の笑みを浮かべた酒井は、男の胸に埋め込まれた球体をさらに強く握った。五本の指すべてに力を込めて。そう、死神の手には五指がはえているのだった。だからこそ手といわれるのである。
「うぐむぅ」
 急所をつかまれて苦しいのだろう。男がまた苦鳴をもらした。血の気が失せた顔には脂汗が滝のように流れている。
 死人の核にヒビがはいった。
「がわっ!」
 男の体が跳ね、脂汗が飛び散った。
「貴様にかける同情はない」
 酒井は声に感情を込めずにいった。
「どういう経緯で死人の核を埋め込まれたのかは知らないが貴様は生者を襲った。それこそが貴様の罰。罪を受けなければ……」
 続く言葉を飲み込んで首をひねった。
「ん? 罪と罰の使い方が逆か? ふむ、受けるべきは罰だったか?」
 首を反対側にもひねり、しばし考える。そうしながらも死神の手をゆるめず、死人の核にできるヒビを増やしていた。男が苦痛に耐える声をもらし敵意ある視線を送りつづけているというに、どこ吹く風である。
「なんでもいいや」
 やがて、酒井は晴れ晴れといった。
「とにかくオレは貴様に同情しない。同僚のなかには情けをかけてできるだけ早く死人の核をつぶすやつもいるが、オレはそういうのは嫌いだ。だから、これからいうことは取り引きと思ってくれ」

 高架下から月下へ飛び出た男の体躯は、なるほど、ウェイトリフティングでもやっているかのように頑強だ。上背もあるし筋肉も厚い。男の突進をまともに受ければ一〇メートルくらいは余裕で吹っ飛ばされるだろう。脳震盪はまぬがれまいし、へたすれば骨折だ。
 しかし、酒井は余裕の笑みを浮かべた。
 どんなに筋肉の壁が厚くとも──
「死神の手には……」
 死神の手をだそうとして酒井は動きをとめた。
 涼やかな音色に鼓膜をくすぐられたのだ。
 チリン、と。どこか遠くで鳴る鈴の音。
 気のせいだったかもしれない。それくらい小さな音だった。
 酒井がハッとわれに返ったのは、視界いっぱいを筋肉に埋めつくされてからだった。
「あぶっ」
 とっさに真横に跳んだ。地面を転がりながら、ぼんやりしていた自分に舌打ちする。身を起こしたときには男がこちらにむきなおっていた。両手を突き出し、また突進してくる。
「ああ、えっと──おい!」
 酒井は高架下へ声をかけた。
 女がまだへたりこんでいる。
「いまのうちに逃げろ!」
 女がはじかれたように立ち上がり、背をむけて逃げ出した。
 見届けた酒井は正面にむきなおった。
 男が両手を突き出して、一歩踏み出した位置でとまっていた。
「ううぐむ、がぐうう」
 喉からは苦鳴がしぼられている。
 どんなに筋肉の壁が厚くとも──
「死神の手には意味がない」
 酒井の左肩からくらげのように半透明な腕──死神の手がのびていた。4mほど離れた男の胸に吸い込まれるように食い込んでいる。突進をとめた正体はたった一本の死神の手であったのだ。
 月光を透かす半透明の腕には関節がなく、腕というよりもチューブといったほうが近いかもしれない。死神の手といわれる所以は、しかし腕の先端部分にこそあるのだった。
「やはりあったな死人の核」
 改心の笑みを浮かべた酒井は、男の胸に埋め込まれた球体をさらに強く握った。五本の指すべてに力を込めて。そう、死神の手には五指がはえているのだった。だからこそ手といわれるのである。

 男と女が争いながらもつれあっていた。
 三日月のはかない光が斜めに差し込み、高架下をかすかに照らしている。男のシルエットはかなり大柄で、女の抵抗などものともしていなかった。
「予知より──ふん、十五分遅れだな」
 携帯電話で時刻を確認しながら、酒井メグルは中身の残るアルミ缶を男にむかって投げた。コーヒーの飛まつを飛ばしながら放物線を描き、男の頭上をすぎて高架の支柱にあたる。
「ありゃ、失敗」
 酒井は鼻の頭をかいた。
「なんじゃおら!?」
 男の野太い声がコンクリートの支柱にあたって反響する。狩りを邪魔された苛立ちと怒りが、たっぷりと込められていた。
 女の反応は男よりも鈍かった。一拍遅れて、
「た、助けて!」
 男の気がそれているすきに逃げればいいものを、と酒井は小さくごちた。
 女にとって運がよかったのは、男がもう見向きもしなくなっていたことだ。大柄な黒いシルエットは、赤く光った目を酒井にだけむけていた。
「邪魔してんじゃあねえぞおおお!」
 吠えながら突進してくる。女を人質にとるつもりはないらしい。突然わいてでた邪魔者より自分のほうがはるかに強いとカン違いしているのだろう。
 高架下から月下へ飛び出た男の体躯は、なるほど、ウェイトリフティングでもやっているかのように頑強だ。上背もあるし筋肉も厚い。男の突進をまともに受ければ一〇メートルくらいは余裕で吹っ飛ばされるだろう。脳震盪はまぬがれまいし、へたすれば骨折だ。

トラスティベル ~ショパンの夢~」を買いました\(^o^)/ (過去記事の「トラスティベルの体験版」も参照してね)

 トラスティベルは食事をしてから、ちょっとだけプレイしましたよ。ショパンとポルカで巨大イノシシを倒したところで、とりあえずストップ。寝る前にまたちょろっとプレイします。トラスティベルはぼちぼと遊ぶつもり(来月発売予定のオブリビオンまでじっくりたっぷり)。

 Xbox Liveのマーケットプレイスでダウンロードしたトラスティベル体験版ではショパンがでてこず、森本レオのナレーションもなくしょんぼりだったのですが、製品版では(あたりまえですが)両者とも登場で大満足でございます。特にショパンの登場シーン。満を持しての登場です。登場のしかたもなんかやけにカッコイイ!

トラスティベル ~ショパンの夢~」というくらいだから、ショパンはこれからも大活躍するでしょうけど、森本レオのナレーションは、はたしてどうだろうか? たぶん、エンディングでは登場するでしょうけど、ほかはどうか。章がわりのときに毎回登場してくれればうれしいんだけど──。

 小説のネタにするための空想です。賭け事とは関係ないぞ。

 前回の「サイコロで必ず6をだす方法(序)」では、6をだしたいのなら6面体サイコロを使うのがベストだと結論づけた。今回のエントリを読む前に参照していただきたい。

 6面体サイコロ(以下サイコロ)を6回振れば1回は6がでる。じっさいに振ると紛れがあるが、この記事では絶対にでると仮定したい。つまり、6をだしたのであれば、サイコロを6回振ればいい。1回は6がでる。

 サイコロで必ず6をだしたいのなら6回振る。

 サイコロを複数回振ることが不可能なら、もうひとつ方法がある。1回振るだけで6をだす方法だ。

 サイコロを6個まとめて振ればいい。どれかひとつは6がでる。

 さて、小説で「サイコロで必ず6をだす方法」を利用するのは、たとえ話がもっとも手っ取り早いだろう。

 なにをやってもうまくいかないキャラクターがいたとする。そのキャラクターに主人公がいってやるわけだ。

「きみはサイコロで6をだそうとするくせに、使っているサイコロは4面体ときた。それじゃあ6はでない。6面体を使わなきゃあ」

 なにをやってもうまくいかないキャラクターは、上記主人公のセリフでなにかに気づくわけだ。

 小説のネタになりそうな空想です。ギャンブルとは関係ないぞ。

 6面体のサイコロだと6回振ったうちの1回は6がでる(じっさいに振ると紛れがあるが、この記事では絶対にでると仮定する)。つまり、確率は6分の1だ。

 では、20面体のサイコロではどうか?

 なんと! 確率は20分の1となる。確率がさがっているのだ。20回振って1回しかでない。サイコロで6をだしたいのなら、20面体のサイコロは使わないほうがいいということになる。

 では、4面体のサイコロではどうか?

 4面体のサイコロでは、そもそも6がない。何回振っても6がでないのだ。サイコロで6をだしたいのなら、4面体サイコロは絶対に使ってはいけない。

 サイコロで6をだしたいのなら、6面体のサイコロを使用するのがベストなのである(ちなみに、4をだしたいのなら4面体のサイコロ、8をだしたいのなら8面体のサイコロがベストだ)。

 さて、前置きは終った。本題はここからだが──次回へ続く。

 小説の執筆環境、その他もろもろをWindowsXPからVistaへ移行している最中だ。いや、正確にいうとXPとVistaの併用になる。WindowsXPでしか動作しないアプリなどがあるため、現段階で完全にVistaへ移行することが不可能だからだ。

 小説執筆や記事作成に使用している秀丸は、早期にVistaへ対応していたのでなにも問題はない。

 頭を悩ませてくれるのはキーボードマッピングソフト(あるいはキーバインディング変更ソフトか)である。Vistaに対応しているものが見つからないのだ。

 キーボードマッピングソフト(あるいはキーバインディング変更ソフト)についてちょっぴり説明しておこう。

 たとえばWindowsキー。標準的なキーボードであれば、左CTRLと左ALTにはさまれるような位置にある。Windowsの旗印がプリントされているキーだ。このキーを無効にしたい、あるいは左ALTとして使いたい、などなど別のキーに変更したいときがある。キーボードマッピングソフトは、そんなぼくらの夢をかなえてくれるのである。

 ところが、Vistaにネイティブに対応しているキーボードマッピングソフトがない。力技を利用すれば使えるようになるケースもある。あるにはあるが、クリーンインストールして間もないOSで力技は使いづらいのだ。

 うむむ、どうしたものか。以前にもいったことがあるかもしれないが、小説の執筆とキーボードは切っても切れない関係にあるのだ。キーボードマッピングソフトは、キーボードの「ここがちょっと……」という欠点を補助をしてくれる。早晩、なんとかしたいものである。でないと、Vistaに移行できない。

【質問】
 オリジナル小説を縦書きで印刷しようとしました。作中で「!?」という2文字でひとつの記号を使用しています。ですが、思ったような表示がされません。






!?

 としたいのです。でも、半角で!?とすると90度右に回転してしまい、横になってしまいます。
 全角で!?としても、







 となってしまいます。使用しているワープロソフトはMS-Wordなのですが方法はあるのでしょうか。

【回答】
 方法はあります。!?の2文字を選択状態にしてください。メニューバーにある書式から拡張書式を、拡張書式メニューから縦中横を選択すれば可能です(MS-Wordのバージョンによっては多少違うかもしれません)。

 また!?の2文字を選択状態にし、文字の90度回転でも可能だと思います。

【質問】
 オンライン小説の書きだしで悩んでいます。会話、風景、殺人現場といろいろなパターンがありますけど、どれがベストなのでしょうか?

【回答】
 オンライン小説の書き方にもよりますので一概にはいえません。ベストとなると特に。ですが、ベターな書きだしならお教えできるでしょう。

 ミステリや推理小説なら、殺人現場から書くのが無難でしょう。冒頭で死体を転がせといわれるくらいです。

 オンライン小説のほかのジャンルで無難な方法というと──会話でしょうね。一行目からセリフにします。


【例:いきなりセリフからはじめる】
「はいてたパンツを落としただって!?」
「おおきな声で叫ぶんじゃないわよ」
「はいってないってならまだ理解できる。起き抜けで寝ぼけてたんだろ。でも、落とすってなんだ。はいてるパンツをどうやって落とせるんだ!?」
「だから叫ばないでったら。炊飯ジャーよ、炊飯ジャー。ぜんぶ炊飯ジャーが悪いのよ」


 オンライン小説の書きだしで悩むようなら、まずは会話ではじめてみましょう。もっとよい手が思いつけば書きなおせばいいだけですから。

オンライン小説なオリジナル小説サイト うにたな」のRSSをフィード管理会社のFeedBurnerに登録しました。

 FeedBurnerってなにか? 公式サイトの説明をそのまま引用すると、

 FeedBurnerは世界で最も大きいフィード管理会社です。我々が運営しているWEBサービスは「ブロガー」「ポッドキャスター」「法人パブリッシャー」が配信している情報をプロモーションしたり、配信したり、利益を作り出すお手伝いをしています。
 だとか。  要約すると、サイトで出力しているRSSの配信をお手伝いをしますよ、というところでしょうか。

 使い方は──まだよくわかりません^^; わからないながらも設定をいろいろと変更してためしています。タイトルの下にとりあえずバナーを設置しています。あまり有効な場所ではないですので、またあらためて置き場所考えないとね。

 サイドバーにあるRSSフィードは、MTが出力するRSS2.0になります。タイトル下のバナーがFeedBurnerが出力するRSSになっているはず。登録するのはお好みのほうでお願いします。

 オンライン小説の執筆ではパソコンでキーを打って書くことのほうが多い。いったん紙に書くかたでも、オンライン小説にするためにはキーボードを打たなければならない。オンライン小説とキー操作は切っても切れないのである。

 MS-IMEで漢字変換をおこなう場合、よく問題とされるのは文節変換ではないだろうか。

 オンライン小説を執筆していたとする。漢字変換で「おいおい、そこで文節を区切らないでくれ」という場合がたびたびある。解決策はMS-IMEヘルプの「文節の長さを変更する」にあった。[Shift]キーを押下しながら、カーソルキーの左右によって文節の区切りを変更できる、とある。

 だがしかし、である。
 オンライン小説にかぎらず、キーボードで文字入力をおこなう場合は、ホームポジションから指を離したくない。離したくはないが、カーソルキーを押下しようとすると、どうしたってホームポジションから離れてしまう。MS-IMEのヘルプにしめされたキー操作では効率が悪いのだ。とくにオンライン小説では、キー操作にもたつくと言葉に逃げられるかもしれない。

 じつは、ホームポジションから指を離すことなく、文節区切りを変更する方法がある。紹介したい。カンタンだ。[CTRL]キーを押下しながらKキーを押せば、文節の区切りが左に移動する。文節の区切りを右に移動したい場合は、[CTRL]キーを押下しながらLキーを押せばいい。

 MS-IMEのヘルプファイルのように箇条書きにしてみよう。

 文節を伸ばす CTRL + Lキー
 文節を縮める CTRL + Kキー

 ホームポジションのキーを使用するので、腕を動かす必要がない。オンライン小説執筆で文節を変更するときは、ぜひ試していただきたい。カーソルキーでの操作より、はるかに効率がよいと実感できるはずである。

「【TBSハニカミ王子盗撮】『ピンポン!』 福澤朗 涙の謝罪」というタイトルの動画。YouTubeである。

 タイトルにある「ピンポン!」とはTBSの昼の番組。司会は福澤朗。彼は元日本テレビのアナウンサー、現在はフリーである。
 一応、動画のURLも。
http://www.youtube.com/watch?v=ixNEkmUDM4k

 動画には「ピンポン!」の映像だけでなく、早朝の番組「朝ズバッ!」の映像もふくまれている。ちなみに「朝ズバッ!」の司会はみのもんた。

「ピンポン!」福澤朗 涙の謝罪動画については、すでにニュースや新聞で騒がれているのでご存知の方もおられるだろう。しかし、知らない方もおられるかもしれない。記事を引用しておこう。


石川の貴重なプレー中の「ナマ声」をとるために、TBSが前代未聞の盗聴行為を画策していた。情報番組「ピンポン!」の番組ディレクターが3日夕刻、石川と同組でプレーする広田文雄(43)の自宅(長野県須坂市)に、こっそり電話をかけていた。

広田 3日午後に電話で「石川君の声をとるためにピンマイクをつけて、こちらが想定する質問をしてほしい。謝礼も払います」と伝えられました。もちろん断りました。私も競技者です。ばかにするにも程があります。

関東アマは60年以上の伝統を誇る公式戦。早大ゴルフ部OBの広田はハンディキャップ9・9以内の規定をクリアして出場した。結果は116位で予選落ちしたが、選手を愚弄する言動に怒りをあらわにした。「謝礼」は金銭の授受を禁じたアマ規定に抵触する可能性もあった。

番組ディレクターの暴走は開幕後も続いた。初日の4日、今度はキャディーバッグを運ぶカートにマイクをセットするようKGAの加藤重正事務局長に要求した。「スタート直前に『これをカートに積んでほしい』と、マイクを手渡そうとしてきました。当然断りました」(加藤事務局長)。

TBSの暴挙は盗聴だけにとどまらなかった。報道番組「イブニング5」が、主催者に無断でプレー中のコース上空にヘリコプターを飛ばした。この日、石川が14番パー5で、2オン狙いのアドレスに入る直前、上空のヘリが低空飛行で急接近。爆音と風に石川はアドレスを外して「うるさいですね」と不満を訴えた。ゴルフのプレーをヘリコプターから撮影することは前代未聞。

「ピンポン!」のディレクターがしでかしたことなので、司会者の福澤朗が番組を代表して謝罪はするのは当然である。だが、こういってはなんだが、福澤氏はフリーのアナウンサーである。TBSに所属しているわけではないだろう。TBSからの謝罪はいつなのだろうか? 記者会見が待たれる。

 オリジナル小説を最後まで書く練習法4である。一連の流れがあるのでナンバリングしてしまったが、練習法というと少し語弊があるかもしれない内容だ。そこのところに目をつぶって読んでいただきたい。オリジナル小説を最後まで書く練習法4だ。

オリジナル小説を最後まで書く練習法1~3はわかったよ。でも、オリジナル小説をいまたちまち最後まで書かないといけないんだ。時間をかけて練習できない。なんとかしたい」

 上記のようにいいたいかたは多いのではないだろうか。クオリティよりも終らせることを優先するなら、いますぐに幕をおろすのも、そうむずかしくはない。かなり完成度はさがってしまうが、けりはつく。最後の手段である。

 まず、オリジナル小説のテーマをはっきりさせよう。ここでいうテーマとは「愛は地球を救う」といった曖昧としたものではない。「募金を5億あつめる」というふうな具体的な内容にしていただきたいのだ。

 昔話をひきあいにだそう。たとえば「うさぎとかめ」。この昔話がうったえていることを抽出するなら「努力すればむくわれる」となろうか。「油断大敵」とか「なまけるな」と、そういった意味もあろう。日本人の好きそうなお話しだ。だがテーマとなると「かめがうさぎに勝つ」とシンプルなものになる。とちゅうの行程がどうであろうと、かめがうさぎに勝てば話は終る。

 オリジナル小説でも要領は同じだ。たとえば主人公が異世界へとばされる話があるとしよう。異世界で好きな異性ができたり、恋のライバルがあらわれたりするだろう。魅力的な恋愛小説になる予感もする。だが、いますぐ終らせなくてはならないなら、主人公を異世界から戻してしまえばストーリーは終わる。伏線が未処理でも、恋愛部分が棚上げでもだ。書きようにもよるが、完成度はかなり低くなろう。それでも軸となるテーマを消化してしまえば、オリジナル小説を最後まで書いたことになる。

 上記のやりかたは最終手段だ。じっさいにはこうまでなる前に対策をこうじたい。

 オリジナル小説を最後まで書けないというかたは、常にテーマを意識していてほしい。そして、いろいろと書きたいエピソードもあろうが、テーマに集約できそうにないことは書かないほうがいい。小説を書く前に、原稿の一行目にテーマを書くように習慣づけてもいいだろう。テーマを意識する練習になる。

 伏線をもりこんだり、キャラクターに深みをあたえるエピソードは重要だ。恋愛小説の要素もいれたいだろう。だが、いろいろもりこむのは、オリジナル小説を最後まで書けるようになってからでも遅くはない。書きはじめるまえでに、書く内容をしぼりこんでいただきたい。

 オリジナル小説を最後まで書く練習法というタイトルで、一連の記事をエントリーしている。ここまで駆け足できてしまったので、ちょっぴり補足させていただきたい。

 オリジナル小説を最後まで書く練習法1~3を紹介してきた。駆け足できたので、カン違いさせてしまったかもしれない。練習は1回やれば終わりではない。くりかえしおこなう必要がある。練習法1にかんしてのみ、1回だけでいいいかもしれない。1回目がスムーズに書けなかった場合に2回、3回とおこなっていただきたい。

 オリジナル小説を最後まで書く練習法では、とにもかくも書く行為のハードルをさげている。さんざんくりかえしているが、練習のときにはクオリティもオリジナリティも考えなくていい。練習で書いたものは、ひとに見せるわけではない。完成度は気にしなくていいのだ。考えなくていいから、書いて書いて書きまくってほしい。練習はくりかえしだ。

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